介護業界で働く人と聞くと、介護が必要な人に直接触れ食事介助や入浴介助、排泄介助などを行う介護福祉士などを思い浮かべる人は多いです。しかし介護職員はそれだけではなく、介護が必要な人に適切な食事を提供するための介護食士など、影で支えている人たちもいます。

介護食士とはあまり聞き慣れない職種かもしれません。介護食士とは、高齢者の食事について学び適切な食事形態を習得した資格保持者のことをいいます。活躍の場は介護現場だけに限りませんが、介護現場では大いに活かせる資格です。

年齢を重ねると体力が衰えていくだけではなく、食べ物を噛む力や飲み込む力など必要な栄養を口から摂取する力も衰えていきます。また、歯が抜けてそれを補うための入れ歯が合わなくなったり、食への様々な弊害が発生するなど命に関わることもあります。飲み込む力が低下するとむせてしまい、食道ではなく気管に食べ物が入って誤嚥すこともあります。

介護食士はこのような状態を回避するため、個々にどのような食事が適しているのかを判断したり、五感を使って安全に美味しい食事を提供することが出来ます。

介護食士はグループホームや小規模多機能型居宅施設などの介護施設で資格を活かせるだけではなく、介護食を提供する外食産業などでも活躍の場があります。食物アレルギーのある人や、病気の治療中の人など、制限がある人にどう対応するのかも求められるのです。介護施設や在宅介護など様々な場所で必要に応じた食事を求めている人のために、介護食士がいます。